看護職(保健師・助産師・看護師及び准看護師)は専門職として、常にその時代に期待される安全で質の高いケアの提供が求められている。山形県看護協会は、これまで職能団体として看護の質の向上を目指して継続教育の充実を図ってきた。
平成22年度は「看護専門職としての必要な能力開発への支援」を重点事業に掲げ、教育計画の枠組みについて、看護職にとって継続教育の全体像が見え、自分自身の学習段階や役割に応じた研修の選択ができるよう見直しを行った。
また、職能団体としての教育ニーズに合わせた枠組みを設けたことで、社会の変化への対応を研修という形で情報発信することができた。加えて、「保健師助産師看護師法及び看護師等の人材確保の促進に関する法律」の一部改正に伴い、新人看護職臨床研修制度の普及推進、非会員の研修参加の機会を拡大する等の取り組みを行い、61コース延べ193日間の研修を実施した。
その結果、日常看護の質の向上に関する研修と新人研修では参加率が高く、5つの研修で応募者が多く人数調整を行った。非会員の参加については、平成21年度の30名から258名と大幅な増加となった。また、研修後のアンケート結果において概ね良い評価が得られたが、学習段階の記載は無回答が多く、参加者に十分周知されていない状況も明らかとなった。
加えて、平成21年12月に新人看護師ガイドラインが示されたのに続き、平成23年2月に新人保健師ガイドライン・新人助産師ガイドラインが示されたことにより、新人保健師・新人助産師に対する研修の強化が必要と考える。
以上のことから平成23年度の教育計画は、新人看護職臨床研修制度をさらに推進すること、指導者・管理者の役割発揮のための研修を強化すること、研修対象者を会員はもとより非会員は看護職に限らず医療機関で働く他職種まで拡大し、59(64研修)コース延べ196日の研修を企画した。
<教育計画のポイントは下記の通りである>
山形県看護協会では、平成20年度から山形県看護協会重点事項「働き続けられる職場づくりの実現」、平成21年度重点事業「働き続けられる職場づくりの推進」、平成22年度「働き続けられる環境づくりへの支援」を掲げ、一貫して看護職確保定着・離職防止と看護職のワーク・ライフ・バランスの実現を目指し取り組んできた。
平成22年度は、「山形県内の病院施設における看護職の労働環境調査」、「離職調査」を行い、その結果の伝達とワーク・ライフ・バランスに関する山形県内での取り組みや活動状況を理解し、かつ職場の現状を考えてもらう目的で、「働き続けられる職場環境づくりの実現を目指す~カエル・プロジェクトを知っていますか~」の研修会を開催した。グループワークでは、「身近に、取り組めることから実施していきたい」等の前向きな意見が多くあった。また、山形県との業務推進懇談会では、「ワーク・ライフ・バランスの実現」について情報提供を行った。
平成23年度は、少子高齢社会に伴い、医療の高度化と医療の複雑さから、看護職に対して質の高い看護と役割の拡大が求められている。また臨床現場では、安全で安心な看護の提供には、量・質の充実が最重要課題と考える。
平成22年12月「山形県第七次看護職員需給見通し」の中から、平成23年は934人の不足、平成27年には449人の不足見込みという報告であった。また、山形県看護協会で毎年実施している離職調査では、平成21年度の離職率は5.9%(前年度6.7%)、新卒看護職は、7.5%(前年度5.7%)であった。この離職率を改善するには、職場での院内教育体制を含め、職場環境の改善の推進にも目を向ける必要があると考える。
看護職が働き続けるには、看護職の健康と安全をしっかり守ることが、患者の健康と安全を守る事に繋がると考え、日本看護協会、当看護協会委員会、支部との連携を取りながらワーク・ライフ・バランスの推進を図りたい。
<主な事業は、下記の通りである>
平成22年度の重点事業「保健・医療・福祉間の連携推進」では、訪問看護師と老健や福祉施設で働く看護職員等との連携や情報収集、在宅療養支援と地域連携を目的とした研修会の開催、平成22年度、はじめて実施した介護支援専門員との連携を目的とした研修会の開催などを通し、お互いの連携強化を図ると共に、訪問看護に関する問題や課題などに対する支援を行った。
また、訪問看護事業の推進・運営の円滑化を目標に、訪問看護の普及と訪問看護サービスの充実、及び訪問看護従事者の質の向上に向けての研修会では、情報の交換と情報の共有、かつ研修会を通して各自の学びを深めることが出来た。
加えて、機会を捉え、地域看護・訪問看護の講義、例えば、看護学生への講義とともに北日本看護学会学術集会でのパネラー、高齢者虐待防止のための研修会では介護者への介護技術の指導を行うことなどを通し、訪問看護の広報と充実を図ることに努めることが出来た。
平成23年度は、訪問看護の質の向上に加え、病院・福祉施設・訪問看護ステーション間の看護職の連携及び医師はじめ他職種とのチーム医療を目的としたケース検討会や研修会等の開催、在宅療養支援と地域連携を目的とした研修会の開催などを通し、お互いの情報交換と情報の共有を行い、在宅における質の高いケアの提供と充実に努めていきたい。加えて、平成24年度は診療報酬改訂と介護報酬改訂の同時改訂となるため、訪問看護ステーションの経営の安定を図るための情報提供を行っていきたい。
また、6つの協会立訪問看護ステーションの理念に基づく組織作り及び各事業や経営に関する情報交換をとおして連携の強化を図り、かつ山形県内の訪問看護ステーションとの連携強化に努めていきたい。
<主な事業は、下記の通りである>
平成22年度は、会員はじめ非会員、一般の方々向けに、山形県看護協会事業に関する速やかな情報提供と利便性を目的にホームページの更新、加えて、今年度より、「看護の日」及び「看護週間」のイベントを5月12日に山形県看護協会会館を会場に、「まちの保健室」・健康講話・保育園と幼稚園の子供たちの絵画展などの内容で実施し、山形県看護協会活動の広報に努めることが出来た。更に8月14日の山形市大花火大会に合わせ、今年度初めて開催した夏祭りのイベントは、花火観賞・「まちの保健室」・進学相談会などの開催を通し、山形県看護協会会館の活用と周知に努めた。
また、昨年11月に臨時書面総では、会員の皆様より、公益社団法人に向けての山形県看護協会の基本理念及び会計の一元化に伴い山形県看護協会費・管理運営費・支部会費の承認を受けることが出来た。結果は広報誌「山形いぶき」Vol.111にて報告させていただいたが、会員6,232名(86.2%)より回答をいただくことが出来た。このことは山形県看護協会事業についての理解と協力を得る良い機会になったと考える。
平成23年度は、公益社団法人山形県看護協会の申請を行う年度として、会員一人ひとりが看護職能人として役割を認識し、その役割発揮に向けた活動を積極的に行えるような広報活動、特に、「まちの保健室」や各種イベントなどを通し、一般の人々を対象に対面での広報行い、看護専門職としての役割発揮に努めていきたい。
<主な事業は、下記の通りである>
平成23年3月11日14時46分に発生した東日本大震災そして続く余震により多くの災害によりお亡くなりになった方々のご冥福とともに被災されました方々と被災地の皆さまに対し心よりお悔み申し上げます。
今回の災害は、地震に加え津波、そして原発問題と多くの被害とともに、多くの問題や課題をもたらしている現状に対し、山形県看護協会として被災地と被災された方々に対し、日本看護協会・被災県看護協会・山形県・山形県医師会との連携のもと、長期的な人的・物的支援活動に努めていかなければならない。
既に、山形県看護協会災害対策本部を設置し、山形県に避難してきた方々に対し、避難所2か所に「まちの保健室」を設置し活動を行ってきた。加えて、山形県内の会員に対して、募金活動・支援ナースの募集・ホームページを通して情報提供なども行っている。
今後は、山形県内の避難所への「まちの保健室」の継続、被災県への人的・物的な支援活動を長期にわたり取り組むと同時に、山形県看護協会の災害支援体制の整備を行っていかなければならないと考える。
<主な事業は下記の通りである>